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第7回松竹大陸:ハリード

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『松竹大陸』は、現在活動中の松竹芸能所属タレントに、幼少期の武勇伝や芸人になったきっかけ、コンビ結成秘話を取材いたします。

第7回ゲストはこちら!

まさかまさかの9人兄弟!!大家族ならではの珍エピソードとは!?
兄弟でコンビを組んでいるハリードさん。 その歴史を振り返って頂きます。

—こんにちは。本日はよろしくお願いします。

ハリード:よろしくお願いします!

9人兄弟に1人の母

―では、さっそくお伺いしますが、お2人はご兄弟なんですよね?

和也:そうですね。9人兄弟なんですよ。僕が4番目で、健太が6番目です。

―9人兄弟!?男女構成はどんな感じですか?

和也:1番上と1番下だけが女の子で、あとは全部男ですね。

健太:1番下が7男(なななん)です。あんま聞いたことない響きでしょ(笑)

和也:7男の下が次女ですからね。1番上のお姉ちゃんの娘と、1番下の妹が同い年なんです。だから同級生だけど、叔母と姪の関係なんですよ。
あと、僕たち母親は1人なんですけど、父親が3人いるんです。だから、母親は9回出産してるんですよ。

―お母さんすごいですね。お父さんが3人いらっしゃるということですが、お2人のお父さんは一緒なんですか?

健太:似てないですけど、一応父親は一緒です。
1番下の妹が今17歳なんで、母は20歳から40歳の間で9回出産してますね。大体2年おきくらいに子供産んでます。

和也:手前にいるお揃いの服着た2人の女の子は、お姉ちゃんの子供です。お姉ちゃんの子供を抱っこしてるのが両親で、それ以外が兄弟ですね。

―さすが大家族ですね。ずっと9人兄弟揃って住んでたんですか?

健太:9人全員揃ってたのは、たぶん1年間くらいですね。

―ご家族が多いと、家の中が賑やかそうですよね。

和也:そうですね。当時、住んでる家の家賃が5千円でした。

健太:そうなんですよ。こんな感じの、広島の山奥に住んでました。

健太:周り500mくらい、全く家が無いんですよ。

和也:この草をかき分けて家に入ってました。あと、お風呂が五右衛門風呂だったんですよ。だから学校から帰る時に薪を取って帰って、1・2時間かけて火起こして入ってました。

健太:よく(和也が)炊いてくれてました。

―まさに自給自足生活ですね。
ちなみに、お父さんとお母さんはどんな方だったんですか?

健太:母は自由人で明るいです。怒らない人ですね。

和也:母自身が、結構好き勝手に生きてきた所があるから、僕達が芸人してても、とやかく言わなかったです。

―(笑)

和也:僕たちの父親じゃなくて、3人目の父親の話になりますけど、1000人ぐらいの村で占い師してました。まあ最初の年は・・・月100万円くらい収入があったみたいですね。

健太:でも、村の人全員占い終わっちゃって、そこからは月1・2万円で生活しないといけなかったですね。

―お父さんとお母さんは、どこで出会われたんですか?

和也:父は占い師を始める前は、薬の営業をやっていて、そこで出会ったみたいです。脱サラして占い師になって、僕たちを連れて田舎へ行きましたね。

健太:その時点で子供が7人いましたからね。その人数の子供を引き取って、占い師しようって思うのはすごいですよね。

―いや、本当にすごいですよ。

和也:だから尊敬はしてますよ。うん。

健太:偉いか、ほんまにただのアホか。

―(笑)
お2人は、どんなお子さんだったんですか?反抗期はありましたか?

和也:全くなかったですね。

健太:僕も反抗期はないですね。でも(和也は)やっぱ兄貴なんで、喧嘩になったら強かったですね。

―ほとんど男兄弟だと、喧嘩したらすごいことになりそうですね。

和也:すごいことになってましたね。5千円の家なんでめっちゃ揺れてましたもん。

―(笑)小学生の時は、どこかの学年には兄弟がいる、っていう状態だったんじゃないですか?

健太:ありましたね。1番やばい時で6年生、5年生、3年生、1年生、と同じ学校に4人いました。

和也:遊び方も違ったよな。僕はみんなでサッカーしてましたけど、健太はその時走りに目覚めて、陸上部でもないのに休み時間ずっと筋トレしてたり。だからやっぱ、それぞれ違いましたね。

健太:あー、今思ったら変わってたかもね。

―そんなにご兄弟が多かったら目立っていたでしょうね。

和也:そうですね。それをね~、いじめてくる奴がいるんですよ。「お父さん占い師なんやろ、占ってーや」とかね、ヤンキーが言うてくるんですよ。占いますけどね。勝手なこと言いますけどね。最終的には兄弟団結して、そいつを潰すっていうね。

―9人もいたら心強いですもんね。

キーマンとなる「5番目の兄弟」の存在

芸人になるきっかけって何だったんですか?

和也:実は僕たち、元々は3人でやってたんですよ。僕(4番目)と、5番目の弟と、健太(6番目)とで。でも5番目の兄弟が抜けて、今2人でやってるんです。

健太:5番目の兄弟は漫画家だったんですけど、漫画が売れ始めて、連載も決まって、そっちの方が忙しくなってきたので抜けてしまったんです。

和也:芸人になるまで、僕は普通に就職して働いてたんです。でも結婚しようと思ってた彼女に振られて、人生どうでもいいわ、ってなってるときにその間の奴(5番目の兄弟)が芸人やろう、って誘ってきたんです。

健太:そうですね。事の発端はここ(5番目の兄弟)。僕も誘われた側です。

和也:でも、誘っといて先抜けるという。

健太:当時、僕も漫画家目指してたんですよ。けど、5番目の兄弟が漫画家として物凄く売れたんです。芸人になる時点で、もう漫画賞とか獲ってたんですよ。そんな状態だったので、じゃあ僕は方向転換して芸人やってみようかな、っていう気持ちで入ったら、核となる人が抜けて行った、そんな感じですね。

―誘った張本人が抜けると、辛いものがありますね。

健太:5番目の兄弟がすごいのは、漫画だけじゃないんですよ。
LINEスタンプを作ったんですけど、名前のスタンプって流行ってるじゃないですか。その名前スタンプシリーズを作った第1号なんですよ。「タカシに送るスタンプ」っていうものなんですけど。
昔からナインティナインの岡村隆史さんが大好きで、好きすぎてファンだと言うことに気づいて欲しくて、岡村隆史さんに向けて作ったんです。で、今僕たち「新しい風」という番組で共演させてもらってて、岡村さんとお話できる機会があって、そのスタンプの話を伝えることができたんです。本来の目的が、ちゃんと本人に届いたんですよ!で、そのスタンプがめっちゃ売れました。たぶん500万円くらいいきましたね。

―LINEスタンプで500万円の売り上げって、相当なダウンロード数ですね。

和也:そうですね。そのLINEスタンプで稼いだお金を、一番下の弟の大学費用に当てることが出来て、無事進学しました。だからすごく感謝してますね。

―すごい時代ですね。

和也:そうですね(笑)LINEっていうサービスがなかったら大学に行けてないかもしれないので。そういう意味では、助かりましたね

―5番目のご兄弟の方が抜けるとなった時、揉めたりはしなかったんですか?

和也:理由が理由なので。まだ弟とか妹が学生なので、稼いだお金をそれに使ってくれると思うと、まあまあ、しょーがないなって。

―・・・偉いなあ。5番目のご兄弟の方は、なぜお笑いをしようと思ったんでしょうか?

和也:コミックスがちょっと売れたらいいかな、っていう感覚で、ですね。宣伝に、っていうのもあったんですけど、最終的には漫画業の方が忙しくなってしまって。まあ兄弟の中でも、お笑い好きやった3人がたまたま入った、って感じでしたね。

―お2人はそれを受け継いで、お笑いで頑張っていこうって思ってらっしゃるんですね。

和也:そうですね、もうそれしかないんで。

健太:そうですね。

波乱万丈な2人暮らし

和也:僕、1人がさみしいんですよ。今、健太と2人で住んでるんですけどね、もう1人でいられない。だから、健太がバイトに行って1人になったら、後輩に「ちょっと今来てくれ・・・1人無理や」って呼び出すんです(笑)

健太:ほんま性格違うなって思うのが、僕Youtubeとか絶対イヤホンで聴きたいんですよ。自分の世界に入りたいんですけど、和也はイヤホンをせずに、音を出しちゃうんですよ。ほんま騒がしい。

―(笑)

和也:それ言うんなら僕も言わせてもらっていいですか(笑) 一緒に住んでるじゃないですか、3万2千円で、めっちゃ狭いワンルームなんです。彼はラップをしてるんですけど、スカイプでラッパー達とデスバトルしてるんですよ。すごい狭い部屋で、「お前はバカヤロウ↑」みたいなのをずっと大きい声で言い合ってるんですよ。これ僕の方が不愉快じゃないですか!?

―それだいぶ騒がしいでしょうね(笑)
ラップって、即興でできるんですよね?今やってくださいって頼んでも、出来るものなんですか!?

健太:出来ますよ。ディスラップもありますが、口説きラップっていうのもあります。どちらがいいですか?

―ディスられるのはちょっと心折れそうなんで・・・口説きの方で。

健太:口説きですね。お名前は?

―さきです。

健太:さきさん。じゃあ口説きラップいきます。

―(ドキドキ・・・)

―おおーーー!(笑)でもこれはワンルームでは聴きたくないですね。

和也:聴きたくないでしょ!?こんなん!!(笑)せめて部屋違う方がいいわ。

健太:ワンルームではね!(笑)

―でもすごいですね、言葉がどんどん出てくるんですね。

健太:そうですね。韻というか、ダジャレみたいな感じのものが永遠に思い浮かんでくるんです。その場で初めて思い付いたこともあったら、前踏んだような言葉がパッと出てきたりもします。ずっとやってたらこうなってた、という感じですね。

―コンビを組まれて、兄弟の関係性に変化はありましたか?

和也:あー、変わりますね。僕の方がお兄ちゃんですけど、健太がネタ書くんで、やっぱ健太の方が地位高くなっていくんですよ。後輩からも健太が尊敬されて、僕が馬鹿にされるんです。1回、僕がただ無言でケツ叩かれるっていうネタがあったんですよ。セリフはお前に与えたくない、って言われて。

―(笑)それは何でですか?

健太:なんかね、8文字以上の言葉を与えると噛むんですよ。

和也:やめとけ(笑)

健太:噛むのもありますけど、かなりセリフ臭くなるんで。だから与えなくなりました(笑) でも、たまたまテレビでハマったのが、無言でケツを叩かれるっていうネタだったんで、結局セリフが無い方が合ってるんですよ。

―判断は正しかったですね(笑)

健太:正しかったですね(笑)

和也:真顔でずっとケツを叩かれているところを全国に晒されて。あんなことやってたアホな奴、とか言われてます(笑)

健太:ほんま、昔じゃ考えらへん。

和也:昔は威厳があったんですけど、完全になくなりましたね(笑)

―でもお話聞いてると、一緒に住んでて楽しそうですね。

健太:え、嫌ですよ。

和也:え、ちょっと待って。・・・嫌やったんや(笑)

コンビ名の意外な由来

―ハリードのコンビ名の由来は何かあるんですか?

健太:またこれが5番目の兄弟の話になるんですけど、5番目の兄弟が好きなゲームが由来してるんです。スーパーファミコンのゲームで、ロマンシングサガ3っていうゲームの主人公が何人か選べるんですけど、その中の一人に「ハリード」っていうキャラクターがいるんですよ。そこから取りました。

和也:何でその名前を付けたかと言うと、スポンサーを付ける時期が来ると勝手に予想したんです。
ハリードってつけとけば、いつかスクウェアエニックスがスポンサーについてくれて、CMに出してもらえるんじゃないか、みたいなのもあって付けたんですね。

―かなりしっかりとしたコンセプトがあったんですね。

和也:スピードワゴンさんのコンビ名も、ジョジョに「スピードワゴン財団」ていうのが出てくるんですけど、そこと絡めたらいいなってことで名付けられたみたいで。僕たちもそういう意味も込めてハリードって付けました。
※ジョジョ/『ジョジョの奇妙な冒険』は荒木飛呂彦による日本の漫画作品。

―そういった需要はありますもんね。

健太:そうですね。僕たちはコントメインでやるので、なんかカタカナってコントっぽいじゃないですか。そんなイメージがあるので、なんとなく気に入ってます。

これからのハリード

―これからのコンビの方向性とか、やっていきたいことはありますか?

和也:ずっと楽しくやりたいですけどね。

健太:具体的な目標はあんまりないんですけど、僕たち2年目の時にキングオブコントで2回戦まで行って、その次の年には最終予選まで行ったんですよ。その次の年が今の4年目なんですけど、「新しい波」っていう番組のオーディションに受かったんです。ちょっとずつステップアップしてるのかなっていう感覚はあるので、来年には今よりいいことがあって、全国にちょっと出れるのかな、と。だから6・7年目ぐらいには、お笑いで食べれてたらいいなー、と思ってます。
※キングオブコント/キングオブコント事務局、TBSテレビが主催・運営するコントのコンテスト大会。

今後の活躍を楽しみにしています!本日はどうもありがとうございました!

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